自転車と同様の場所を走らなければなりませんが、モード切替忘れなどのミスで取り締まりに遭いやすい項目です。
(1)通行区分違反 【青切符:6,000円】
・車道の右側を通行する(逆走および右側通行)。
・「特例モード(緑ランプ点滅・最高6km/h)」に切り替えずに歩道を走行する。
・「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識(青い丸に、歩行者と自転車の絵が描いてあるもの)が無い歩道を走行する。
・路側帯で歩行者の通行を妨げる。
(2)通行禁止違反 【青切符:5,000円】
・「自転車を除く」と指定されていない一方通行を逆走する。
・「車両進入禁止」の標識がある場所へ進入する。
(3)追いつかれた車両の義務違反 【青切符:6,000円】
通常モード(20km/h)や特例モード(6km/h)で車道を走行中、速度の速い後続車に追いつかれたにも関わらず道を譲らない場合。
(4)横断歩行者等妨害等【★追加推奨】 【青切符:6,000円】
信号のない横断歩道に歩行者がいる(または渡ろうとしている)のに、一時停止せずに通過する。
※警察が最も厳しく取り締まる項目の一つです。
(1)信号無視 【青切符:6,000円】
赤信号での通過。「歩行者・自転車専用」の信号がある場合に、それに従わない場合。
※赤信号で停止線を越えて止まった場合も対象になることがあります。
(2)指定場所一時不停止等 【青切符:5,000円】
「止まれ」の標識で、タイヤが完全に止まっていない(徐行での通過)。
(3)交差点右左折方法違反(二段階右折の不履行) 【青切符:4,000円】
信号のある交差点等で、車のように右折レーンに入って曲がる、または交差点を斜めに横切る(小回り右折)行為。
※特定小型原付は、いかなる交差点でも必ず「二段階右折」が必要です。
★★正しい二段階右折の流れ ここから★★
(a)合図と進入
右ウインカーを出しながら、道路の左端を直進して交差点に入ります。
(b)直進・停止
交差点をそのまま渡りきり、向こう側の角(突き当たった場所)で止まります。ここで車体の向きを右に変え、ウインカーを消します。
(c)信号待ち(あれば)
「今、向きを変えた方向(前方の新しい信号)」が赤になっているはずですので、それが青になるまで待ちます。
(d)進行
前方の信号が青になったら(あれば)直進します。
★★正しい二段階右折の流れ ここまで★★
(4)合図不履行(ウインカーの出し忘れ・消し忘れ) 【青切符:3,000円】
右左折の30m手前、進路変更の3秒手前から適切な方向指示器(ウインカー)を出さない場合。
※二段階右折の際、「直進して待機する」動きであっても、30m手前から右ウインカーを出す必要があります。
(1)携帯電話使用等(ながら運転)
・スマホを手に持って通話や画面注視をして走行する(保持)。【青切符:12,000円】
・スマホ操作により事故を起こすなど、交通の危険を生じさせた場合(交通の危険)。【赤切符:懲役または罰金】
(2)安全運転義務違反 【青切符:6,000円】
片手運転(傘差し運転、物を持つなど)、よそ見運転など、適切な操作ができない状態で運転する。
※事故を起こした場合は点数が加算され、より重い処分になる可能性があります。
(3)整備不良(制動装置等) 【青切符:6,000円】
ブレーキが効かない、ライトが点かない、リフレクター(反射板)がない、方向指示器が点灯しない、最高速度表示灯(グリーンのランプ)が点灯(または点滅)しない等。
※ナンバープレートを折り曲げたり隠したりする行為は、別途番号表示義務違反(50万円以下の罰金)になる可能性があります。
(4)定員外乗車 【青切符:5,000円】
2人乗りをする(特定小型原付は1人乗り専用)。
(5)酒気帯び運転・酒酔い運転
・酒酔い運転:【赤切符:5年以下の懲役又は100万円以下の罰金】
・酒気帯び運転:【赤切符:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金】
※自転車と異なり、特定小型原付の飲酒運転は自動車と同等の極めて重い罪になります。
(1)ナンバープレート隠ぺい・未装着等【赤切符:罰則:50万円以下の罰金】
・ナンバープレートを付けずに走行する。
・ナンバープレートを折り曲げる、カバーを付ける、回転させて見えにくくする、泥等で汚れたままにする等の行為。
※リュックサックにナンバーを入れたまま走行する行為も、この「表示義務違反(未装着)」に該当し、赤切符となります。
ここに挙げるものは、警察に止められても「仕様です」「法律通りです」と堂々と主張できる項目です。
1.装備・機体に関するケース
(1)バックミラー(後写鏡)が付いていない
一般の原付(50cc)は必須ですが、特定小型原付には装着義務がありません。ただし、安全確認のために自主的に付けてもOKです。
(2)ヘルメットを被っていない
特定小型原付のヘルメット着用は「努力義務」です。被っていなくても警察に切符を切られることはありません(罰則なし)。もちろん、安全のためには推奨されます。
(3)スピードメーター(速度計)の目盛りが無い
自動車のようなアナログ針やデジタル数字が必須ではありません。「走行速度が分かる装置」があればよく、特定小型原付の要件(20km/hを超えないこと)を満たす灯火(緑ランプ)が正しく機能していれば、スピードメーターは無くともよい(※製品の保安基準によります)。
(4)車検シール・検査標章がない
特定小型原付には「車検」の制度がないため、車検ステッカーはありません。但し、自賠責保険のステッカーは必須ですので注意してください。
(5)性能等確認済シールが貼られていない
性能等確認済シールは国が認定したものではありません。
単に、民間の第三者機関(JATA等)が国の基準に基づいて確認を行った結果を表したものであり、国土交通省が認定した「型式」とは全く異なるものです。このため、最初から貼っていなかったり、ユーザーがこれを剥がしてもなんの罰則はありません。
2.通行場所・ルールに関するケース
(1)「自転車を除く」とある一方通行を逆走する
道路標識の「一方通行」の下に「自転車を除く」または「軽車両を除く」という補助標識がある場合、特定小型原付もそこに含まれるため、逆走(進入)しても違反になりません。
(2)バス専用レーンを走行する
渋滞時などの「バス専用通行帯」であっても、特定小型原付(原付扱い)は走行可能です。車のように違反切符を切られることはありません。ただし「バス専用道路(レーンではなく道路そのもの)」の場合は規制内容によります。
(3)左折専用レーンがある交差点を直進する
複数車線ある道路で、左端の車線が「左折専用」の場合でも、特定小型原付は「原則、一番左の車線を通行する」義務が優先されるため、左折レーンから直進しても違反になりません。ただし、直進レーンへ車線変更して直進することも可能です。
3.免許・手続きに関するケース
(1)運転免許証を携帯していない
免許不要の乗り物ですので、運転時に免許証(原付免許や普通免許など)を持っていなくても「免許不携帯」にはなりません。年齢確認のために身分証の提示を求められることはあります。
(2)未成年(16歳以上)が運転する
16歳以上であれば、親の同意書や免許がなくても運転可能です。高校生が乗っていても補導や違反の対象にはなりません。
4.【番外編】歩行者扱いになる裏ワザ
(1)電源が入ったまま手で押して歩く
特定小型原付から降りて手で押している状態は、モードや電源のON/OFFに関わらず「歩行者」とみなされます。これにより、「進入禁止の場所」や「標識のない歩道」でも、降りて押せば通ることができます。
勉強になりますね!